オリンピック・パラリンピックとボランティア(1)

 9月26日に、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのボランティア募集が始まりました。
 東京2020大会公式ウェブサイトには次のような募集の言葉が載っています。

「オリンピック・パラリンピックの成功は、まさに「大会の顔」となるボランティアの皆さんの活躍にかかっています! 『東京2020大会を成功させたい』という熱意をお持ちの方、またとない自国でのオリンピック・パラリンピックの運営に直接関わりたい方、みんなで一緒に東京2020大会を盛り上げていきたい方の応募をお待ちしております」

 また、東京都でも「都市ボランティア」というものをこれとは別に募集していて「(成功は)大会・開催都市の顔となるボランティアの皆さんの活躍にかかっています」と、同じような文言で、募集を行っています。

文部科学省の通知

ボランティア 報道番組などでは、「ぜひ(ボランティアを)やってみたい!」という街の声を拾ったり、かつてオリンピック・パラリンピックでボランティアを経験した方などが登場して、自身の経験を語っては「一生の思い出になる」と、その素晴らしさを強調しています。

 一方で問題点も指摘されています。たとえば文部科学省に対しての批判です。

 文部科学省はスポーツ庁と一緒になって、全国の大学と高等専門学校に東京オリンピック・パラリンピックの日程に配慮して2020年の授業スケジュールを作成するよう求める通知を2018年7月26日に出しています。

 通知のなかで、開催期間中に交通機関で混雑が予想されることや、警備の安全性、学生がボランティアに参加する意義を説明し、大会に重ならないよう、授業や試験日程を繰り上げたり、祝日授業を実施することができるとしています。

まるで学徒動員?

 さらに同通知は、4月に出した通知を繰り返して以下のように述べ、学生にボランティアをさせるよう、促しています。

「学生が、オリンピック・パラリンピック競技大会等に参加することは、競技力の向上のみならず、責任感などの高い倫理性とともに、忍耐力、決断力、適応力、行動力、協調性などの涵養の観点からも意義があるものと考えられます。さらに、学生が、大学等での学修成果等を生かしたボランティア活動を行うことは、将来の社会の担い手となる学生の社会への円滑な移行促進の観点から意義があるものと考えられます」

 これに対し、「学業をないがしろにしている」「長時間、長期間のボランティア確保のための措置で、まるで学徒動員のよう」といった類の批判の声が上がっています。