四角いスイカ(3/7)

2018年1月26日

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そんな空気のなかで藤原さんが、和田中学校の校長に就任すると、外部の人間や情報を取り込んで社会問題をあつかって世の中について学ぶ「よのなか科」をつくったり、大学生ボランティアと子どもが宿題などをする「土曜寺子屋」、英語講師を雇って土日に行う「英語アドベンチャーコース」など、表向き公教育の世界ではタブー視されていたビジネス的な視点、企業、価値観を堂々と和田中に持ち込みました。

次々と花火のように打ち上げられる新しい取り組みや、リクルート出身らしい話題づくり、キーワードづくりも上手でした。

なかでも、学習塾のサピックスと組んだ有料の課外授業「夜スペシャル」はかなりの注目度合いでした。

塾と教育では目指すものが違う

しかしそもそも、学習塾と公教育は目指すものが違います。

多くの場合、学習塾の目的は「成績を上げ、受験競争に勝つこと」です(そうでない一部の学習塾もありますが・・・)。対して公教育が目指すのは「共に学び合うことで知識だけに偏らない人格形成をはかる」ことです。

その目的上、学習塾では「他者を蹴落とし、勝ち上がる」ことが“よし”とされますが、公教育では「他者とつながり、みんなで伸びる」ことが大切にされてきました。
もちろん、昨今の社会全体が競争主義的になっているなかで、教育基本法も「改正」され、こうした目的や理想は「建前」になりつつある部分もありましたが。

「建前」を一蹴

ところが藤原さんは、そうした「建前」を一蹴したのです。

たとえば、当時の「和田中と地域を結ぶページ」で藤原さんは次のように公言してはばかりませんでした。

「子どもに100万円単位のお金をかけられない家庭では、上位の高校にチャレンジすらできなかった。(略)和田中では月1万円出せば、3年生までに上位校を受験するチカラがつく。これこそ、完全ではないが『公平』な教育機会の提供だ」(続く…