四角いスイカ(2/7)

2018年1月26日

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市場に出せない7割の「不良品」を出してまで、市場価値の高いものを育てるのは、果たして生産的なことなのでしょうか。
わずか3割の、市場で高く売れる「良品」の方だって、味はいまいちなのですから、本当の意味で生産的な行為とは言えないような気がします。

スイカならまだしも(それでももったいないと思ってしまいますが)、人間だったらどうでしょうか。
市場価値に合わせた少数の「良品」の子どもを育てるために、たくさんの子が「不良品」としてはじき出されるなんてことが、あったら大問題ではないでしょうか。

でも実際、そのようなことが起きているようなのです。

公教育ビジネスを持ち込んだ杉並区

『東京新聞』(2015年2月28日付)では、公教育に利益追求と市場価値を是とするビジネスが持ち込まれることの問題点が論じられているのですが、そこに気になるコメントを見つけました。

コメントの主は、東京都杉並区で06年度から5年間、不登校の子どもたちを対象とする区の適応指導教室に勤めていた元教員の長谷川和男さんです。

競争や序列化が始まっていた

そのコメントをご紹介する前に、東京都杉並区に代表される公教育とビジネス、そして競争教育について記しておきましょう。
杉並区といえば、義務教育初の民間人校長で話題になったリクルート社出身の藤原和博さんが校長を務めていた杉並区立和田中学校がある地域です。

藤原さんが和田中の校長になった2003年頃は、今や当たり前になってしまった全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)はまだ再開されておらず、教育基本法も「改正」されていませんでした。
しかしすでに、学校選択制や自治体による学力テストなどが始まり、子どもと子ども、学校と学校の競争や序列化などが言われはじめていました。(続く…