搾取される子どもたち(6/10)

2018年1月31日

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事実、虐待の相談数も、摘発数も増えています。

全国の警察が昨年1年間に摘発した児童虐待事件は前年比22.9%増の472件、被害にあった子どもは前年比19.6%増の476人で、いずれも統計のある1999年以降、最多でした(『日経新聞』2013年7月14日)。

摘発された加害者353人の64%は「実の親」(実父143人、実母83人)で、死亡したケースに限ると加害者28人のうち実母が21人にも上っています。

「子どもの命の搾取」

また、今年4月、横浜市磯子区の雑木林で実母とそのパートナーの男性に虐待死させられた女の子の遺体が見つかった事件が世間を騒がせましたが、こうした虐待死は年間100人ほど起きています。

2013年9月4日付『朝日新聞』に「虐待死防止 課題は連携」という記事がありましたが、2011年度の虐待死(心中含む)は99人にもなるそうです。雑木林で見つかった女の子もそうでしたが、児童相談所や市町村が関わっていながらも救えなかった事例も多かったとのこと。

親が安定的な仕事について、生活を楽しみ、しっかりと子どもに目を向け、安心して子育てをすることができない大ストレス社会になっている日本では、こうして「子どもの命の搾取」も増えています。

体罰も増加?

子どもの身体・生命が脅かされているのは、家庭だけではありません。

昨年12月、大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の男子生徒が、顧問の男性教諭(元教諭)から体罰を受けた翌日に自殺した事件がありました。

その後、文部科学省は体罰の実態調査を行い、今年8月に発表しました。それによると、全国の小中高などで体罰を行ったとされる教師は6721人で、前年度調査404人の17倍にも上りました。

もちろん、この数字を受けて「体罰が増えている」と言うつもりはありません。
大きく報道された事件の後ですから、従来ならばカウントされなかったり、見過ごされたり、隠されたりしていたものまでが「体罰」と認定された可能性はあります。

逆に言えば、今回の数字の方が、今まで伏せられてきた実態に近いと考えることもできるかもしれません。(続く…