BOSTON STRONG(4/7)

2018年1月31日

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そして今、最も「発展の影で犠牲になっている」と強く感じているのが3.11の被災者の方々です。

「感情を失った時代」の回にも書きましたが、現実感の無い「景気回復」に浮かれ、実感のない「経済成長」優先の裏で、肝心の被災地の復興は遅々として進んでいません。
少し前にも復興予算の約1.2兆円が公益法人や自治体が管理する「基金」に配られ、被災地以外で使われているとの報道がありました(『朝日新聞』5月9日)。

国の予算審議が遅れ、補助が受けられないため、福島県から避難している方々への支援を打ち切らざるを得ない支援団体などが出始めていたり、過酷な状況下で働く福島第一原発事故の作業員の方々が、契約した派遣会社から契約通りの賃金をもらえない「ピンハネ」は後を絶ちません。

特例法案も成立したが・・・

つい最近、東京電力福島第1原発事故の損害賠償に関して、国の「原子力損害賠償紛争解決センター」に和解の仲介を申し立てている場合に限り、賠償請求権の3年の時効が過ぎても東電に賠償請求できるようにする特例法案が成立しましたが、内容を見るとかなりマユツバです。

この法律で救済されるのは、東電と交渉する裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた人に限られます。

確かに、和解仲介を継続している人が3年の時効を迎えた場合には、和解仲介の打ち切り通知から1カ月以内に訴訟を起こせば賠償請求権の消滅は防げます。でも、逆に言えば申し立てが出来ていなかったり、1ヶ月以内に訴状を用意できなければ、請求権は消滅することになります。

当事者や支援者からは「法案は被災者の切り捨てにつながる」という危惧の声も聞こえます。

きちんとした保障を受けられるのはいつ?

そもそもADRは、職員不足などで解決まで半年以上かかることもあって利用者が低迷しています。文部科学省によると、利用者は現在約2万9000人で、約15万2000人いる避難者の19%程度に過ぎません。

被災者の方々が、きちんとした保障を受けられるのはいったいいつになるのか・・・。ついつい水俣病や足尾銅山鉱毒事件の被害者の方々と重ね合わせてしまいます。(続く…