平気でうそをつく人たち(6/9)

2018年1月31日

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「貧困の連鎖」や「経済格差の固定化」が言われる一方で、「長引く不況」と言われながらも高額所得者は急増しています。
『税金は金持ちから取れ 富裕税を導入すれば、消費税はいらない』(武田知弘著/金曜日)という本によれば、信じられないことに億万長者は10年前の3倍に激増しているそうです。

意図的に格差はつくられてきた

著者は、本の中で具体的に80年代以降、とくに小泉純一郎元首相のときの「小泉ー竹中改革路線」の中で、税の仕組みがどのように変えられてきたのかを記しています。

どんな理屈や方法で大企業や資産家(お金持ち)の税率が引き下げられ、一般国民(庶民)の税負担が増やされ、簡単に言うと「金持ちはより金持ちに。貧乏人はもっと貧乏になる仕組み」がつくられてきたのかを述べています。

また、貧富の格差・経済格差が、いかに意図的な政策の下に広げられてきたことであるかも、具体的なデータを示しながら書いています。

うそで塗り固めた税制度の変換

ご興味のある方は、ぜひ同書を読んでいただきたいと思うのですが、たとえば著者は、トヨタの社長より庶民の税負担率の方が高いことや日本の金持ちの税金はアメリカの金持ちの半分以下であること。富裕層の所得税を80年代並みに戻せば、お金の無い人の生活を直撃する消費税分の税収をまかなえることなどを書いています。

そして「日本の法人税は世界的に見ても高い」というのも(132ページから)、「国際競争力のために法人税を減税する」というのも(136ページから)、ぜんぶ「うそ」だと断じています。

そうしたいくつもの指摘をしたうえで、一部の大金持ちや大企業にお金を貯め込ませるのではなく、裕福な人たちからきちんと理にかなった分の税金を取り、それを経済的に困窮する人に回す政策を打ち立てた方が、結果的には冷え切った景気が活性化し、長い目でみれば大企業の儲けも増え、日本全体が豊かになるのだとも述べています。

「邪悪な人」はいる?

どれも、かつてこのブログでも書いた生活保護の受給問題(「福祉から遠い国」参照)など吹っ飛んでしまうような話です。

いくつものうそを重ね、生活に困る人を横目で見ながら、ひたすら私腹を肥やして利益を貪る人々を目の前にすると、「『邪悪な人』はやはり存在するのではないか」と思いたくなってしまいます。(続く…