「子どもの貧困」の何が問題か(2/7)

2018年2月5日

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前回書いたような「子どもの貧困」をもたらす要因のひとつに、90年代後半からの非正規雇用者の増加が挙げられます。

90年代には20.0%だった非正規雇用者が2008年には33.9%にもなっているのです。
とくに、これから子どもを育てたり、今、子育てをしている世代に当たる20〜30代男性の割合が増えていて、24歳未満の若年労働者では48%前後。10代後半の非正規雇用率は約7割との報告もあります(2008年版『青少年白書』)。

非正規雇用者の場合、年収は300万円未満が多く、生涯賃金にすると正社員とは2.5倍もの格差が生じるそうですから、その影響は深刻です(『経済財政白書』2009年)。

高度成長期以降、2%台という低水準を維持してきた失業率も、90年代以降は5%台まで上昇しています。

雇用環境の悪化を受け、生活保護受給世帯も増えました。98年度には66.3万世帯でしたが、2009年4月現在では120.4万世帯にもなりました。

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高い教育費

しかも日本の場合、子どもの教育にびっくりするほどのお金がかかります。

大学を卒業するまでの基本的養育費と教育費合計は「並コース」でも子ども1人に2985万円、「最もかかるコース」だと6064万円がかかります。しかも、そこには学習塾費用の約200万円は入っていません。

文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査」によると、「学習塾がよいが過熱している」と考える親は6割にも上るのに、子どもが公立の小中学校に通っている家庭の学習塾等にかける補助学習費は、毎年過去最高額を更新しています(文部科学省「子どもの学習費調査」)。

前回紹介した国連「子どもの権利委員会」への市民・NGO報告書には、高く鳴り続ける学費への不安を訴える声が小さい子どもがいる家庭から寄せられています。他方、大学生がいる家庭では預貯金や退職金を切り崩すだけでは足りず、借金をして学費を工面しているという報告もあがってきています。

こうした家庭の中には「経済的に困窮していることを周囲に知られたくない」と、夜中に母親がこっそりパートに出ては学習塾代を稼いでいるケースもあるということでした。

専門家の指摘

おおまかに言えば、このような社会状況が前回のブログの冒頭で紹介したような状況に子どもたちを追い込み、子どもの「貧困」を生み、教育格差を生じさせ、人生のスタート地点における不平等をまねき、子どもたちが成人した後にも取り返せない格差の固定化が起こると、多くの専門家は指摘しています。(続く…