子どもの権利条約が生きた町(6/6)

2018年2月5日

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数字でも、10年かけた改革の成果が現れてきています。
学級崩壊や不登校は減少傾向。市が小中学校教師全員に行なった調査では、小学校で80.5%、中学校で60.7%の教師が「学習に対する興味や関心のある子が増えた」と答え、不登校の割合は全国の小学生が0.36%に対し、犬山は0.12%と三分の一の低さです。

さらに少人数の「学び合い」は、最近話題になっている小一問題(新1年生が「先生の話を聞けない」、「落ち着いて席に座っていられない」などで授業が成り立たない問題)への効果も期待できそうです。
昨年、初めて試験的に小学校1年生に少人数授業を導入した小学校の教師は言います。

「『先生といっぱい話せる』『先生が自分を見ていてくれる』と、思いの外、子どもたちが落ち着いたんです」

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学力もアップ

集中力や授業態度が落ち着き、自分から学ぶようになれば、当然、学力もアップします。

全国の多くの小中学校で実施している全国標準学力検査の結果を五段階評価で表したところ、全国に比べ犬山では1と2が少なく3と4が多いとの結果が出ました。
そう、出来る子と出来ない子の差が開き、学力の二極化が進んでいると言われる昨今、犬山では全体の学力のボトムアップが起こっているのです。

「勉強面では『〇〇ちゃんに教えてもらったからきっとできる』という自信が、勉強が不得意な子も積極的に取り組む姿勢につながりました。生活面では、たとえば暴力を振るった子がいたときに他の子が『そういうことはいけないよ』と注意し、注意された子が『そうだね』と受け入れられる素地をつくりました。そんな子どもたちを見ていて『勉強しなさい』『仲良くしなさい』と教え込む今までの指導がいかに無駄なことだったのかよく分かりました」(小学校の教師)

出来る子も出来ない子も対等になることができる「学び合い」は、子どもたちの生活のあらゆる場面に大きなプラスの影響を与えています。

犬山の教育を知るには

子ども一人ひとりが主役になれる、一人ひとりが学ぶ喜びを実感できる犬山の教育。それを支えているのは、「子どもと教師の豊かな人間関係」です。犬山には、「おとなとの安心、安全、そして自由な関係性が、その子どもが持つ個性や能力を最大限に引き出す」という子どもの権利条約の精神が生きています。

そんな犬山の教育実践を詳しく知りたい方は『全国学力テスト、参加しません。犬山市教育委員会の選択』(明石書店)を手に取ることをお勧めします。

また、事前の問い合わせや申し込みはは必要ですが、犬山市教育委員会では見学等の受け入れも積極的に行なっています。興味のある方はぜひ一度、足を運んでいただければと思っています。