子どもの権利条約が生きた町(2/6)

2018年2月5日

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子どもの権利条約は、「一人ひとりが自分らしく自律的に生き、そして他人のこともきちんと考えられるような道徳性を備えた人間になる」ことを目的につくられた条約です。
その目的を達成するため、教育目標(29条)は「人間の尊厳を持った一人ひとりの子どもが、その持てる能力を最大限に発揮できるよう援助すること」。

この理念は、ブログでも書いたように人格の完成を目指していた「前」教育基本法にも通じるものです(教育基本法「改正」で子どもが育つか)。

でも、「具体的にはどんなことをすればいいのかよく分からない」そんな声が聞こえそうです。
そうしたときに「実際に理念を生かしてみたらこうなるよ」と教えてくれるのが、愛知県犬山市の教育です。

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徹底的に競争を排除し、教育委員会が教師を支えることで、教師がゆとりを持って一人ひとりの子どもに向き合うことを可能にし、子ども同士がお互いを受け入れ、思いやる人間性を育て、結果的に全体の学力が底上げを達成したのです。

ちょっと話はそれますが、今、全国的に広がる教育改革の主流は、「子どもや教師、学校同士を競わせることで学力アップや経費削減を狙う」という競争原理に基づくもの。
イギリスのサッチャー政権時代に実施され、すでにイギリスでは「失敗だった」として見直しが始まっている教育改革です。

1980年代後半から改革を行なってきたイギリスでは、学校間・地域間格差が広がり、教師や子どもの心身症などが増えるだけで、全体の学力アップにもつながらないことが分かってきたのです。

こうしたタイプの改革の道具に使われるのが(1)習熟度別授業、(2)学校選択制(学校の統廃合)、(3)一斉学力テストなどです。

本日4月24日に全国の自治体で実施される「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)も、もちろんイギリスタイプに属するもの。
全国学力テストの実施によって、今まで東京など一部の地域で進められてきた教育改革は確実に全国へと広がっていくはずです。

全国学力テストの問題性を指摘することは後に譲るとして、まずはこのテストへの不参加を貫いた犬山の教育改革をご紹介したいと思います。(続く…